手根管症候群とは
手根管症候群は、手首にある「手根管」というトンネル内で神経(正中神経)が圧迫されることで起こる病気です。
指のしびれや痛み、手の使いづらさなどの症状が現れます。
主な症状
- 親指・人差し指・中指のしびれや痛み
- 朝方に強くなる手のしびれ
- 細かい作業(ボタン留め・箸使い)がしにくい
- 親指の付け根(母指球)の筋力低下
- 手を振ると楽になる(フリックサイン)
※小指はしびれにくいのが特徴です。
このような方はご相談ください
- 指先のしびれが続いている
- 夜間や朝に手の痛みで目が覚める
- 手の力が弱くなってきた
- 他院で改善しない
- 両手に症状がある、または再発している
原因
手根管内の圧力が高まることで発症します。
- 手の使い過ぎ(パソコン・スマホ・家事など)
- 妊娠・出産期、更年期
- 糖尿病や甲状腺疾患
- 手首の骨折や変形
- 透析治療中の方
検査
当院では以下の方法で診断を行います。
- 問診・診察(チネル徴候、ファーレンテストなど)
- 神経伝導検査
- 超音波(エコー)検査
保存療法
症状の程度に応じて治療を行います。まずは、保存療法での治療から行います。
- 安静・手首の使用制限
- 装具(サポーター)による固定
- 消炎鎮痛薬の内服や外用
- ステロイド注射
手術療法(鏡視下手根管開放術)
保存療法で改善しない場合や重症例では手術を検討します。
当院では、鏡視下手根管開放術を行っております。
手首に1cm程度の切開を行い、局所麻酔にて関節鏡で行います。
当院での手術の特徴
手術時間:約10分
日帰り手術
傷が小さく、回復が早い
アミロイド沈着の顕微鏡検査が可能
当院の手術の重要な特徴として、
手術時に切開した靭帯の一部を用いてアミロイド沈着の有無を顕微鏡検査で評価することが可能です。
手根管症候群とアミロイドーシスの関係
アミロイドーシスとは
アミロイドーシスとは、異常なたんぱく質の沈着により、機能障害を起こす指定難病です。近年、手根管症候群の一部はアミロイドーシスと関連していることがわかってきています。特に、手根管内の靭帯にアミロイドが沈着している場合、それは「全身性アミロイドーシス」の初期サインである可能性があります。
このアミロイドは心臓にも沈着することがあり、将来的に、心臓の病気(心不全や虚血性心疾患など)を引き起こすリスクが指摘されています。そのため、手根管症候群は単なる「手のしびれの病気」ではなく、全身疾患の早期発見につながる重要なサインとなる場合があります。
当院の手術における強み 〜将来の病気の予防につながる診療〜
手術時にアミロイド沈着が確認された場合、全身性アミロイドーシスの可能性を早期に捉えることができます。
これにより、
- 心臓疾患の早期発見
- 適切な専門科への紹介
- 将来的な重篤な心疾患の予防
につながる可能性があります。
手根管症候群の治療と同時に、将来の健康リスクの評価ができる点が大きなメリットです。
手根管症候群は、放置すると神経の回復が難しくなることがあります。
また近年では、アミロイドーシスとの関連から、全身の病気の早期発見につながる可能性も注目されています。
気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。